[番外編]山崎蒸留所見学レポート(1)琥珀色のディスプレイ
一泊二日の京都プチ旅行から帰還。同行のサハラさん曰く「食べて飲んで、飲んで飲んで食べては飲んでの2日間」だった。
いつもなら「東京出発風景」から時系列で書いていくんだけど、撮影した写真を整理していたらウィスキーな香りが漂ってきた。それで「街中なら一杯5,000円」しちゃうだろう極上モノの記憶が薄れないうちに「山崎蒸留所」見学レポートを書くことにした。・・・それにしても自分、まじで嬉しそうな目してる(撮影サハラさん)。
いつもなら「東京出発風景」から時系列で書いていくんだけど、撮影した写真を整理していたらウィスキーな香りが漂ってきた。それで「街中なら一杯5,000円」しちゃうだろう極上モノの記憶が薄れないうちに「山崎蒸留所」見学レポートを書くことにした。・・・それにしても自分、まじで嬉しそうな目してる(撮影サハラさん)。
山崎蒸留所は、JR京都駅から電車で15分。自分達は阪急で嵐山からだったので25分ほどで到着。
京都市内から段々に霞がかって見えていた山のふもとに近づいた感じ。
「ここってかなり大阪寄りですよね?」
「はい。というか実は大阪なんです」
・・・しょっぱなから大きな勘違い。
そもそものきっかけは、1月に古巣が主催したパーティーでお会いしたMさん。その後ブログ交流が始まり、今回、「京都でイベントがあるので、良かったら来ません?」と声をかけてもらった。イベントは午前中だけだったので、午後は山崎蒸留所に足を伸ばしてみようということになった(多分「ビール工場で出来たてビールを飲みまくりたいんです!」と一時騒いでいたのを覚えてくれていたのだろう)
地元詳しい人がいなかったら絶対通れないだろうショートカット道(大雨時に山側から流れてきた水をJRの線路の反対側に流すためのところらしい)。対向者すれ違い用か、ところどころ、水路の上に鉄板がつけられていた。
そして山崎蒸留所到着。
広い!
思っていたよりずっと広い!
割と小ぶりな北海道のワイナリーとか造り酒屋とかを見学した時のイメージだったので、「工場」「郊外の大学キャンパス」といった感じの敷地に驚いてしまった。
入り口に見学者の受付所がある。
日曜日のせいか春休みの入り口のせいか、結構人が来ていた。
琥珀色のディスプレイ
歴史を綴ったパネル展示コーナーなどを軽くはしょってメインホールのようなところに出てくると、いきなり琥珀色の世界。
着物姿のサハラさんが目をキラリとさせアイコンタクト。そう、ウィスキーの香りが漂ってきたのだ。例えて言うなら、はちみつ見つけたクマのプーさん状態。
ディスプレイされているボトルには、英文で蒸留所の名前や年号、樽の種類などが書かれている。
オリーブオイルのような淡い琥珀色から、もっとブラウンがかっているもの、向こう側が見えないほどに濃い色のものなど、金色のグラデーションがきれい。
「ウィスキーって、こんなに色違うんですか!?」
樽に詰め、時間をかけて熟成される過程で、樽の香りだけでなく色素もにじみでてくるのだとか。香りが樽の木から移ったものっていうのは何かで読んでいたけど、色もなんだ。
濃いのは、一度シェリー酒を熟成させた樽を使っているんだって。ふむふむ。
両側に琥珀色のボトルが並べられた棚はL字型にずっとつながっていて、なんとも幻想的。間を歩いているだけで、ぼーっとしてくる。(こっちの写真のほうがきれい)
銅で作られた蒸留器のディスプレイも。
うんうん、この形のものは、前日本を読んで予習してきたなかにあったぞ。
内側にはやはり濃淡の色のボトル。
蒸留所の見学というよりも、ミュージアムかなにかに来ているような気分になってくる。
樽材を使って作られた家具もいたるところに展示されている。
・・・というか、館内のテーブルやベンチ、プランターなどはみんなそうだったのかな?
インテリア好きなサハラさんが大きなテーブルをじっと見ていた。
製造工程ガイドツアーに参加
物珍しくて、樽材グッズのお土産コーナーなどウロウロしているうちに、2時半の製造工程ガイドツアー開始のアナウンスが流れて集合。春休みのせいか、天気がよかったためか、子供連れも多い。人数が多すぎると言うことで、2班に分かれての見学となった。
MONO-PORTALおさわりツアーの時に思ったけど、大人になると、仕事以外で何かを見学に行くってことが少なくなるから、ちょっと新鮮。まわりの見学者達も(連れている子供以上に)ちょっとワクワクした目つきになっている
まずは最初の工程、「仕込・発酵室」から。
ここで麦汁が作られ、発酵槽で糖がアルコールに替わってゆく。
ガイドの女性が、その仕組みのことや水のことなどを説明。
これが発酵槽。
巨大な木の桶がいくつも並んでいる。
昔ビール作り体験をした時に、麦芽をミルでひいて、お湯でドロドロ煮る・・・という作業をした。その時の麦汁は不思議な甘さだった(サトウキビを搾ったジュースにも少し似たうっすらとした甘さ)。ビール作りもウィスキー作りも、このあたりまでは同じような感じだそうだ。
子供はウィスキーの製造工程なんかつまらないだろう・・・と思っていたんだけど、男の子だからかな?巨大な丸いタンクを興味津々な顔で見ている。
春休みの絵日記には「ウィスキーのにおいがとてもよかったです」とか書くんだろうか?
次に蒸留室。
そうそう、これが見たかったんだよな。
下が丸くふっくら広がった巨大なフラスコ型で、先のほうが細くなって折れている。通路を挟んで両側にずらりと並んでいた。ガイドの方の説明で気づいたけど、左右一対で、実はそれぞれ形がかなり違っている。首周りがほっそりしているものとか、猪首状でちょっとずんどうな形のものとか。
蒸留器の仕組みはこんな感じ。
発酵してできたもろみを加熱で気化、先に気体になるアルコール部分が細い部分を通ってまた冷えて液体に戻る。その時、アルコールだけじゃなくていろいろなものもある程度一緒にあがってゆくんだけど、この首の形や細さの違いが影響を与え、できあがる蒸留液の味や香りが違ってくる。蒸留は2回行われるので、最初に左側で蒸留し、次に対になっている右側の同じ形の蒸留器でもう一度蒸留。
蒸留室の外には、見学者用に「ニューポット」のボトルが置かれていた。無色透明な液体。
「これが熟成前のものです」
ほんとに色がついていないんだ!
香りをかぐと、かなりアルコールの強烈な香りがする。この状態だと麦焼酎に近い香りなんだとか。この「ニューポット」は後で試飲することになる。
そしていよいよ貯蔵庫へ。
入り口でMさんがつぶやく。
「この中でずっと暮らしたい」
> 続く