[番外編]もろみの見た夢(2)焼酎の造り方
焼酎の定義から始まり、製造工程、そして開発秘話などを語ってくれた、めちゃめちゃ参加者から大人気だったのは、この「もろみの見た夢」の開発担当者である、酒類開発研究所の松木さんという女性。
キャラ最高!
このイベントの主役は、「もろみの見た夢」ではなく「松木さん」だった気がする。
だって懇親会が始まったとたん、カメラ抱えた参加者達がいっせいに囲んでシャッターを切っていたのは、「もろみの見た夢」のボトルが並んだ一角ではなく「松木さん」だったから。
↑完全にモデル状態の松木さん。情熱トークだった。
ちなみに「焼酎の定義とは」、
そ、それだけなんだ・・・。
そして、いままでよくわかっていなかった「甲類」「乙類」の違いもわかった。
昨年同居していた実父が「甲類焼酎派」。
いつも4.5Lの巨大な宝焼酎を家にストックしていた。
居酒屋に行った時にも、芋焼酎とかそば焼酎とかばかりのメニューを見て、お店の人に聞いていた。
「甲類ないの?」
「?」
「甲類。焼酎の」
「そのような銘柄は・・・」
「銘柄じゃなくて」
「?」
自分も父に聞いてみた。
「甲類って、何が材料なの?麦?」
「それだと麦焼酎だから、違うだろ」
「じゃなに?」
「化学的に作ってるんじゃないか?アルコールを」
「そっか」
なにか解せない気持ちのまま、とりあえず納得しておいた。
甲類と乙類の違いは、蒸留方法だったのか。
もろみの材料は、やはり米や麦とのことだった。
【追記】↑ここまだ自分勘違いでした。追加情報もらいました(2008.4.3)
甲類は連続式蒸留、乙類は単式蒸留ですが、
甲類焼酎には原料の香りがほとんど無いので
甲類焼酎に使用する原料としては、
タピオカ澱粉や糖蜜(サトウキビで製糖した残り糖蜜)
など比較的安価な原料を使用することが多いです。
もちろん、米や麦を甲類焼酎に使用する事もあります。
そして、一般的な焼酎の製造過程を説明。
蒸米で麹を作り(米麹の場合)、水と酵母をまぜて一次もろみに。
一次もろみの酵母を育てたところに主原料を加え、二次もろみに。
二次もろみを発酵させて、それを蒸留して原酒に。
麹のところで二日間、もろみのところで三週間と、
割と短い期間で作られているみたいだ。
あとで、別の研究所の方と話をしていた時に、ヨーロッパとアジアの「製法」の違いという話題になった。原材料を粉砕したりせず、そのままの形で使って麹を作るなど、アジア特有かもとのこと。ヨーロッパの「麦」に対し、アジアは「米」。
そう考えると、日本のスピリッツ「焼酎」は、
日本酒同様、もっともっと海外での知名度をあげてもいいよなあと。
松木さんの説明はすごくわかりやすかった。
「麹」の仕事は「酵素」を生産すること。
酵素は、イメージとして「はさみ」の役割をする。
そして芋とか麦とかのでんぷんの粒粒を、酵素のはさみでチョキチョキ切ってあげるのが「糖化」という行程。
そして結果、ちっちゃい「ぶどう糖」ができる。
なぜ「ぶどう糖」にする必要があるのか?
酵母がぶどう糖くらいの大きさのものしか食べることができないから。
それを食べて、酵母がアルコールと二酸化炭素をだす。
この過程を「醗酵」という。
ふむふむ。
よくわかった。
「これ、私がちょっとパワーポイントで書いた断面図なんですけど」
会場からどっと笑いが起こる。
結構こまかい専門的な話などもしているのに、
それを感じさせない、とってもわかりやすいトークは見事。
そして、「もろみの見た夢」を生み出した新しい製造工程と開発秘話へと話は移っていった。
> 続く
▼SHOCHU LAB(アサヒビール)公式サイト